#11 秋のバラのお話

季節はすっかりさわやかな秋ですね。
ほぼ一日中とても快適な空気の中で過ごせる、すばらしい季節がやってきました。

柿や栗、さつまいもやさんまなど、秋の味はわたしたちにはとても親しみ深いもので、食欲の秋を実感します。
それもやはり、秋というこの季節、自然の恵みにあふれた季節だということなんだろうなぁとしみじみ思ってしまいますね。
同じように秋に旬を迎えるお花もたくさんありますが、今回はその中からバラの花のお話を。

バラの旬は大きく春と秋があり、一部の品種では夏にも花を咲かせるものがあります。

春バラと秋バラ、大きな印象の違いとしては、やはり花数の差。
春のバラは本当にたくさんの花をつけて、バラ園などに行くと、「咲き乱れる」という言葉がぴったりの華やかな風景を見せてくれます。
遠くから見ると自然の色鉛筆で描いたような絵のような、色とりどりの世界が目の前に広がるのは春バラならではの魅力です。


それに対して、秋バラは大輪のものがあちらこちらにぽん、ぽん、と咲いているようなイメージです。
葉っぱのグリーンを背景に、一つ一つのお花がたたずむように咲いている姿は、秋らしい落ち着きを感じられるすばらしい情景。
お花にそっと近づいて、一輪を丁寧に眺めてみるというのが秋バラのおすすめの楽しみ方です。

秋のバラを見に行くおすすめのスポットといえば、関東であれば横浜の港の見える丘公園。秋に見ごろを迎える品種も多く、とても丁寧にお手入れをされている印象を受けます。
公園全体が平面で、歩きやすいのも魅力です。
関西であれば、大阪の中之島公園のバラ園が有名です。こちらも大阪の街の真ん中と思えないような田園風景が広がり、近くの芝生に座ってのんびりしてみたり、お気に入りの花を写真や絵に収めたりする人も多くみられます。

遠くから眺めて赤やピンクに見えたバラの花びらにも、近くで見つめれば数えきれない色のグラデーションが隠れています。
他の誰も気が付かないような自分だけの色を見つけたら、そのバラの名前をひとつだけ覚えて帰りましょう。
毎年会うのが楽しみになる特別な友達のような、すてきな出会いがありますように。