ミモザの花のイエローは、どうしてあんなに気持ちを明るくしてくれるのでしょう。ぽわぽわっとしたかわいい形も、甘い香りも、明るい優しさにあふれていてファンが多いお花のひとつです。
ミモザはこれからの時期、3月から4月にかけて、お花の見頃を迎えます。お花屋さんで切り花を扱うのは、おもに1月から3月ごろとなり、春の初めを告げるお花のイメージもあります。

原産はオーストラリア。マメ科アカシア属の植物です。じつはたくさんの種類がありますが、日本で流通しているのは「ギンヨウアカシア」と呼ばれる種類が多いです。「ギンヨウ」は「銀葉」。お花には時期がありますが、シルバーの葉っぱが一年中わたしたちの目を楽しませてくれます。
やはり特徴的なのは小さな丸い黄色いお花。ミモザのイエローはドライフラワーにしてもきれいに色が残りやすいので、ドライのアレンジメントやスワッグにも好まれます。
「ミモザサラダ」というと、炒り卵をトッピングしたサラダで、グリーンサラダの上に散らした卵のイエローをミモザのお花のイエローに見立てて名前がつけられました。

近年日本でも定着しつつあるミモザの日は、3月8日。国連が定めた国際女性デーであり、イタリアでは「女性の日」としてミモザを贈る慣習があったようです。春に数えきれないほどの種類のお花が咲く中、少し素朴なイメージもあるミモザが選ばれたことに、なんだかセンスの良さを感じます。
フランスのモンドリューラナープルという海沿いの街では、2月にミモザ祭りが行われるそうです。地元産のミモザを使って町中を飾り付け、フラワーパレードや花合戦が催されるのだとか。写真で見るだけでも、海と空のブルーにミモザのイエローが鮮やかで、本当にすばらしい光景です。使われるミモザの量は、驚きの10トン!一度現地でお祭りに参加してみたいものです。
日本でも人気上昇中といったところで、最近ではアレンジメントにアクセントとして使われたり、ミモザメインのブーケも目にします。世界のあちこちで愛されているお花だなと感じます。この時期になると、ハンカチなどの雑貨や文房具でも、ミモザのモチーフをよく見かけますね。どう描いてもかわいくなるミモザのグッズは、プレゼントにも自分づかいにもぴったりです。

よく聞く花言葉は「友情」「優雅」など。どんなお相手に贈ってもしっくりくる花言葉で安心感があります。春色といえば桜のピンクを思い浮かべる人も多いですが、ミモザや菜の花のイエローもすてきな春の色。形が華やかなバラや、色とりどりのチューリップのようなバリエーションではありませんが、シンプルで親しみやすい花姿は、冬を越えてきたみんなの心をほっこりと癒してくれるようです。
