さくらのおはなし

春の花。チューリップも、たんぽぽも、菜の花も、みんなわたしたちに春の楽しさを知らせてくれますが、なんといってもさくらをイメージする人が多いのではないでしょうか。今年は少しゆっくりめにつぼみを膨らませているようですが、咲く前、咲いているとき、そして散るときまで美しい特別感のあるお花です。

日本人にとって特別な花といわれることも多いですね。たとえば和服の世界では、季節によって選ぶ色柄が変わってきます。違う季節の花の柄が入った着物を選ぶことは基本的にないため、冬用の着物に朝顔の花が描かれることはあまりないものです。ところが、さくらだけは日本の国の花ということで、一年中どの季節に取り入れてもよいとされていることが多いです。

ぜひおうちでもさくらの花を楽しみたいと思うところですが、もともと木に咲く花で枝ぶりも大きいため、切り花としては少し馴染みが薄いかもしれません。近年は、水に差して飾ることのできる切り枝を取り扱うお花屋さんも多くなってきました。一般のおうちに飾りやすいよう、小さく枝を分けて売っているところもありますね。また、かわいらしいサイズの盆栽仕立てのさくらの鉢植えもたくさん売られています。鉢植えはおうちの気候にあえば、次の春、また次の春と何年にも渡って花を咲かせてくれることもあります。


そして、やはり外で見る花というイメージも強いので、お花見やライトアップも心ときめく春のイベントです。昼間であれば青空のもと、風に花びらを揺らす姿もどうしようもなく美しいものです。場所によっては、他のお花や葉っぱや木の鮮やかな色とのコラボレーションを見ることもできます。多くのところで見られるソメイヨシノは、ほとんど白に近いような淡い色のお花ですが、他の春色に埋もれてしまうことなく、凛としたさくら色を見せてくれるところが不思議な魅力です。

夜のライトアップであれば、その優しい色合いを活かして、ライトによってどんな色にでも染まってくれます。昔からそこにある木、そこに咲いている花が、現代のプロジェクションマッピングやデコレーションの技術と出会って、また新しい輝き方を見せてくれるのも感慨深いものです。何色に染まっても主役をはるという存在感は、本当にさくらならではですね。

近くで見るさくらももちろんのこと、遠くの山をながめてさくらの木を見つけるのもすてきな春探し。グリーンの中にちらほらと散りばめられたさくら色を見つければ、あそこにさくらがあったんだと楽しい発見ができます。来年の同じ季節にも、きっとまた出会える宝物のような春です。
短い時間ではありますが、さくらをはじめとした花々とともに、思いっきり春を楽しんでみましょう。

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